生きるリアルさの回復のために

読むことで自分の未来を拓く

講演会を終えて

前略

先日の講演会が予想以上に好評だったので安堵とともに、やって良かったと思えていい経験をさせていただきました。松村さんには丁寧なお話ぶりでお答えいただいて、それが一番の好印象の要因と思っております。先のお手紙にもありましたように、私の方でも講演会を心配しておりました。「姫ヶ生水」を読んでいない聴衆の方々の反応がどう出るか、こちらのトークに関心なさそうな態度が見られたらどうしようかと案じておりました。幸い熱心に聴いていただいている感触を得られたので、スムーズに進行できました。

「姫ヶ生水」をめぐる人々の生きた歴史は、実感として自分の来歴に触れることになって、私ばかりでなくお集まりいただいた全ての人に受け止められたのではないでしょうか。参加者は48名になりました。野々市市ばかりでなく、金沢市白山市能美市からの参加者がありました。ここ数年では最も多く集まりました。私どもの読書会が所属する文化協会にとってもいい実績となったことと思います。

さて「姫ヶ生水」後編、いま執筆中ということですね。戦後の復興のがんばりの時代から高度成長期に至る時代の生き様がどのように書かれているのか、今から楽しみです。私は昭和28年生まれです。今度は私自身の時代を読むことができそうです。自分の人生を振り返る上で、身近な小説は参考にもなって生きた読書体験ができそうです。

お体にはくれぐれも気をつけて、執筆に頑張ってください。出版に至った際にはお知らせください。その日を楽しみにこちらは読書会の運営に頑張って行きたいと思います。

早々